【日本時間:2025年6月24日火曜日 18:00現在】
▶ ドル円相場のテクニカル分析
【現在価格】
USD/JPY = 145.20円 前日比 -2.85円
【主要テクニカル指標】
- 移動平均線: 5日線 = 147.90円 / 25日線 = 148.60円 → 現在価格は明確に両線を下回っており、短期的なトレンドは完全に下向き。テクニカル的には売りシグナルが優勢となっている。
- RSI (14): 33.4 → RSI(Relative Strength Index:相対力指数)は、相場の過熱感を数値化するテクニカル指標で、70以上は買われ過ぎ、30以下は売られ過ぎとされる。トレーダーが反発や反落のタイミングを測る際に活用される。 30を下回ると本格的な売られ過ぎとされる水準に接近しており、投資家の警戒感と同時に反発期待も強まりつつある。
- MACD: MACD = -1.82 / シグナル = -0.90 → MACD(Moving Average Convergence Divergence:移動平均収束拡散法)は、短期と中期の移動平均線の差からトレンドの転換点を示すモメンタム系の指標。シグナルとの交差で売買タイミングを判断する。 デッドクロスが継続中で、下降トレンドの強さを示唆。モメンタムは依然として弱く、戻り売り圧力が残る。
- ボリンジャーバンド: -2σラインを明確に下抜けて推移 → 短期的な行き過ぎた下落を示唆し、反転の兆しを視野に入れる局面。
- 出来高: 増加傾向 → 売り圧力が強まる中で、一部では押し目買いの動きも散見されており、市場参加者の攻防が激化。
【予想レンジとシナリオ】
- 短期レンジ: 144.80円 〜 146.50円 → 145円が心理的・テクニカル的な節目となり、サポート/レジスタンスの切り替わりポイント。
- 下方シナリオ: 一段のリスク回避が進行すれば、145円を明確に割り込み、144円台前半への下落が現実味を帯びる。ストップロスを巻き込みやすいゾーンであり、一気に値幅が拡大する可能性も。
- 上方シナリオ: 米国経済指標が弱く、ドル売りの流れが強まった場合、短期的には145.50円を上抜ける反発も。日銀の緩和姿勢維持も材料に。
【分析総括】
ドル円は中東の地政学的リスク後退と、米経済に対する不透明感が複合的に作用し、「有事のドル買い」が巻き戻される格好で下落しました。テクニカル的には主要な移動平均線を大きく下回り、MACDも弱気を示す形となっており、引き続き下落圧力が強い状況です。ただし、RSIやボリンジャーバンドでは過熱感の兆候も出ており、145円を堅持できれば反発の糸口も見えてくる局面。米FRBの政策スタンスや、今後の経済指標の結果によっては、為替の方向感が再び大きく転換する可能性があります。ファンダメンタルズとテクニカルの両面から、柔軟な対応が求められる難しい相場です。
▶ 日経平均のテクニカル分析
【現在価格】
日経平均 = 38,790円 (前日比 +436円)
【主要テクニカル指標】
- 移動平均線: 5日 = 38,300円 / 25日 = 38,680円 → 両線を明確に上抜けており、上昇トレンドが再開したことを示唆。上値余地が広がる形に。
- RSI (14): 59.2 → RSIは、相場が過熱しているか否かを測るテクニカル指標で、70以上が買われ過ぎ、30以下が売られ過ぎ、50〜70は強気圏とされる。 まだ過熱感は見られないが、強気ゾーンに入りつつあり、順調なトレンド継続を暗示。
- MACD: MACD = +210 / シグナル = +165 → MACDは、トレンドの強さや転換点を示す指標で、MACDがシグナルを上回る「ゴールデンクロス」は強気サイン。 ゴールデンクロスが継続中で、上昇モメンタムが持続していることを明確に示している。
- ボリンジャーバンド: +1σラインを上回って推移 → 上昇トレンドの中で強い勢いが続いており、さらなる上昇を試す可能性。
- 出来高: 前日比で増加傾向 → 投資家のセンチメントが改善しており、リスク志向の回復が進んでいる。
【予想レンジとシナリオ】
- 短期レンジ: 38,500円 〜 39,500円 → 節目の39,000円突破が持続すれば、さらなる高値追いも視野に入る。
- 上方シナリオ: 円高進行や中東停戦報道を好感し、39,000円をしっかり上抜ければ心理的な節目である40,000円を目指す展開も。
- 下方シナリオ: 短期的な利益確定売りが出れば38,500円近辺までの調整が考えられるが、押し目買いも入りやすい水準。
【分析総括】
日経平均は外部環境の好転を受けて強く反発し、テクニカル面でも重要な水準を上抜けたことで、市場全体のセンチメントも回復傾向にあります。特に為替の円高が企業収益圧迫要因とならない範囲で進んでいるため、投資家は物価安定と利益拡大の両立を見込んで買い姿勢を強めています。39,000円という節目を上抜けるかが短期的な焦点であり、そこを超えれば新たなステージへの移行が期待されます。個別株の物色も活発化しており、今後は業種間の選別色が強まる局面に入っていくと予想されます。
【総合考察】
現在の金融市場は、地政学的な不安の後退と各国中央銀行の金融政策への注目が交錯する中、方向感を模索する複雑な局面にあります。ドル円は売られ過ぎの水準にありながらも明確な反転の兆しはまだ見えておらず、慎重な姿勢が求められます。一方、日経平均はファンダメンタルズとテクニカル両面で上昇要素が重なっており、40,000円到達が徐々に現実的な目標となってきています。
今週以降は、米国の主要経済指標(GDP、インフレ率、雇用統計など)や、FOMCメンバーの講演内容などがマーケットを揺らす材料になる可能性が高く、注視が必要です。また、ドル円に関しては日米金利差の行方、日銀のスタンス変更可能性にも引き続き敏感に反応する状況が続きます。テクニカル分析は今後のシナリオ形成に重要な羅針盤となり得るため、日々の指標チェックと柔軟なポジション調整が不可欠です。
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